包茎とは

包茎は「真性包茎」と「仮性包茎」に分けられます。包皮をめくってみて亀頭と包皮が癒着していて亀頭が露出されなければ真性包茎で、完全に露出できれば仮性包茎です。
興味深いことに英語圏では真性包茎、仮性包茎に相当する言葉はなく、厳密に区別はされていないようです。

子供の包茎

小児ではほぼ全員が真性~仮性包茎であり、特に真性包茎が占める割合は新生児でほぼ100%、乳児で80%、幼児で60%、小学校低学年で40%、高学年で20%、中学生で10%です。
つまり、真性包茎の大多数は思春期までには自然治癒します。医学的に治療を急ぐものとしては、包皮口がピンホール状となっており排尿時に包皮が風船状に膨らむ(バルーニングといいます)場合や包皮炎を繰り返す場合です。

子供の包茎の治療方法

まず、治療に関しては医師ごとにそれぞれ信念があって異なるとは思いますが、私は子供の場合では「手術療法を行うことはめったにありません」。
ステロイド軟膏を用いて包皮の癒着をはがしていき徒手整復を行って仮性包茎の状態に持っていきます。
二次性徴や思春期を迎える前にこのような処置を行っておくと陰茎の成長期に包皮が引っ張られて皮が伸びきって余剰皮膚ができる状態を防ぐごとができます。また、余剰皮膚ができないことにより亀頭の発達がよくなり、美容上の観点からも望ましい状態となれます。
治療に消極的な医師が多い中、私は親が望めば積極的に治療を行うようにしています。徒手整復時には「ギャー」と泣き出すお子さんもいますが、「大人になった時にはきっと感謝される」であろうという気持ちで治療を行っています。

大人の包茎

大人の包茎は「百害あって一利なし」です。
先ず見た目に良くないので、それがコンプレックスになって消極的な性格になってしまうこともあります。また、包皮に恥垢が溜まって衛生上良くないです。そこにパピローマウイルスが発生したら、尖圭コンジローマになったり、性交渉時にパートナーにうつして子宮癌のリスクを高めたりするとこがあります。さらに長年包皮に亀頭が守られた状態が続くので、亀頭が敏感となり早漏になりやすくなります。

大人の包茎の治療

大人の包茎の治療は子供とは違って「手術療法」です。
環状切除術と言って、まず、余剰包皮を切除し亀頭が常時露出する状態にします。次に、医師によって手術の方法もそれぞれではあると思いますが、私の場合は亀頭直下に縫合線を持ってくる方法で行っています。こうすることにより包皮の色合いがツートンカラーになるのも防げますし、手術の痕が分かりにくくなるというメリットがあります。
大切なところなので出来るだけ細い糸を用いて丁寧に縫合することが必要です。溶ける糸を使用しますので術後は基本的に通院はしなくても構いません。